新居への引っ越し準備に関する要素。
十分な注意が必要な新居への「エアコン取り付け」。
新築住宅への引越し時のエアコン取り付けに関する注意点・各種トラブル。!
新築住宅には、住宅設備(給水排水設備・空調設備・換気設備)が備わっているわけですが、唯一近年の住宅には必須要素
となっているものの、基本的には引越し入居後に居住者自身で設置する必要がある住宅設備が「エアコン」です。
高級マンションの場合、メインとなる居室(リビング)に備え付けのエアコンが設置されている物件もありますが、
ほとんどのケースでは後付けで対応する必要がある設備要素となっています。
それゆえに、引越し後の住宅設備ドラブル要素として最も多いのが「エアコンに関連したトラブル」なんですよね。
また、新居の居住環境が早い段階で環境悪化へと繋がってしまう要因のひとつともなるのが「エアコン」。
引越しに関連したエアコン設置には、多くの注意点が存在しているものです。まずは、新築マンション及び新築戸建て住宅
に共通した、エアコン設置時に心がけておきたい要素(注意点)をご紹介したいと思います。
- 新居へ引越し「エアコン設置」する上で注意が必要な6つのトラブル。
既存のエアコンを移設するときに注意しておきたい「カビ・細菌の発散」。
もともと使用していたエアコンをそのまま新居でも活用することは多々あるものです。近年では、引越し業者が
既存のエアコンの取り外しから新居への移設・取り付けをしてくれるサービスも広まってきていることから、既存のエアコン
を使用継続しやすくなっていますしね。
ただし、「既存エアコンを新居で活用」するときに十分注意しておきたい(心がけておきたい)要素があります。
それが「カビ・細菌を新居空間に持ち込まない」ということ。
案外知っているようで、引越し時には忘れてしまいがちなの
がエアコンの殺菌洗浄です。住空間において、最もカビや細菌が繁殖しやすい場所のひとつがエアコン内部なんですよね。
エアコンフィルターの掃除は、行っていたとしても実際にはエアコン内部でカビ・細菌は繁殖しているものなのです。
既存エアコンをそのまま活用するのであれば、引越し時に外装やフィルターの掃除だけではなく、一度エアコン内部
を徹底的に除菌洗浄することを心がけておきたいもの。
カビ・細菌を除去しないまま新居に移設してしまうと、せっかくの
新居空間が早々にカビ・細菌で汚染されてしまうことになりますからね。
建築士としての経験上から時間と手間を惜しまないという方であれば、
こちらの業務用エアコン除菌洗浄剤「エアコンマイスター」がおすすめかと。
ただ、実際に丁寧に除菌洗浄するのはかなりの重労働となりますので、現実的には、
エアコン洗浄の専門業者に依頼したほうが効果的です。
こちらのエアコンサポートセンター
で地域に適した専門業者を比較検討してみてはいかがでしょうか。
エアコンを取り付けるための下地の有無及び種類を確認しておくことが大切。
エアコンは通常壁に取り付けることになります。エアコンプレートと呼ばれている薄い金属性のエアコン取り付け用板(プレート)
をまずは壁に取り付け、その後エアコンプレートにエアコン本体を接続することになります。
この時エアコンプレートは一定の強度を持って壁に取り付けられる必要があるんですね。そうでないと、時間経過する
うちにエアコン本体がガタついてしまったり、強い地震動などがあったときには、落下してしまう可能性があるからです。
強度を保ってプレートを壁に設置する上で重要になるのが「下地の有無」です。
下地状況には、大まか次のような種類が
あります。
1.合板(ベニア板)下地有り
2.鉄板下地有り
3.木材(棒材)下地有り
4.アンカーボルト設置済み
5.エアコン用の下地は無し
の5種類です。
「1~4」はエアコン設置用の下地が備わっていることを示しており、「5」は特別エアコン用の下地は存在していないことを
意味しています。
ここでは下地の特徴などに関しての話は省略しますが、「5」の下地無しの場合には、通常壁材として使用される
プラスターボード(石膏ボード)と呼ばれる建材に、専用のアンカービスで取り付けることとなります。
ただ、現実的安易に多用される
方法ではありますが、地震の揺れなどによって、時間経過とともにアンカービスの緩みが出やすいんですね。本来は「1~4」の
いずれかの方法で設置することが望ましいのです。
「1~4」の下地種類に対して、それぞれ適切な留め金具(ビスなど)が存在しています。ゆえに下地の種類を理解した上で、
適切な設置を行うことが必要となるんですね。
引越し業者やエアコン取り付け業者の営業担当などは、安易に、「設置担当者が
確認して対処しますから大丈夫ですよ」と言う事が多いのですが・・。実際には、設置担当者の知識・技能には大きな格差があるんです。
設備や建築の知識をある程度有している優秀な人もいれば、設備や建築のことなどまったく知らない・・単にエアコン設置の手順
を覚えているだけという人もいるもの。下地をきちんと確認することすらしない人も少なくないのが実情なんです。
ゆえに、エアコン用下地の種類・仕様を理解した上で、その内容を事前に
エアコン設置担当者に伝えておくとトラブルが発生しにくくなりますので、ぜひ心がけていただければと思います。
近年増加している「引越し業者」のエアコン取り付けサービスの注意点。
近年、引越しサービスの一環として、新たに加わっている要素のひとつが「エアコンの取り外し&
取り付けサービス」です。なんとなく同じ業者に依頼できることに便利を感じるようで、活用する人も
増加傾向となっているようです。
ただ、注意が必要なのが、基本的に引越し業者のエアコン取り付けは、 「外注」にて行われているということ。
外注業者(エアコン設置)には、様々な業者(企業、個人事業主)が存在しています。
エアコン設置を専門的に行っている優秀な技能を有した「専門業者」や「電気工事士の資格を有した個人事業者」
がいる反面。
何の資格(電気工事士など)も有しておらず、建築や住宅設備機器の知識もほとんど無いような、
「エアコン取り付け作業工程」を覚えた(習得した)程度の従業員
が存在している業者・個人事業者も少なくないのです。
「引越し業者」に「エアコン設置の依頼」を行った場合、『価格重視』でエアコン設置業者が選ばれやすいので、
必然的に、対応・技能に劣る業者が選ばれやすいことに。
その結果、「エアコン設置に関するトラブル」が発生しやすいこととなります。
それゆえに、少しでも、トラブル発生確率を低くするためには、
「引越し業者」へ依頼するよりも、「評判の良いエアコン設置専門業者」へ依頼した方が良い
ものと考えます。
安心できる「エアコン設置専門業者」を選ぶ方法。
エアコン設置工事トラブルを少なくする上では、「電気工事士」の資格を有した担当者が設置対応をしてくれる
「エアコン設置専門業者」もしくは「エアコン設置個人事業者(電気工事士)」を選ぶことが、大切なポイントとなります。
その上で、もうひとつ重視したいポイントとなるのが。
●新居の周辺エリアに事業所を構えている専門業者。
を選ぶということ。
施工者にとっては、「地元の評判」は最も強く意識する要素のひとつですからね。他地域での仕事以上に
”丁寧な対応”を心がけてくれやすいもの。
また、後々の「アフター対応」を考えた時にも、地元(新居エリア)の企業であることのメリットが活かされるものです。
とはいえ、「新居周辺情報」には、まだまだ詳しくなく、「どんなエアコン設置専門業者が存在しているのか」なども
わからないものですよね。
そこで、私がおすすめするのは、こちらのエアコンサポートセンター
の活用です。
「エアコンサポートセンター」では、エリアごとに、「対応」「技能」の条件を満たしたエアコン設置業者のみが厳選・登録(業者登録)
されています。
24時間いつでもオンライン上にて、【無料】見積もり依頼(最大5社まで可能)をすることが出来ます。
●エアコンの「取り外し」
●エアコンの「取り付け」
それぞれ単体で見積もりを取得することも可能。「エアコンの取り外しのみを依頼したい」という方にとっても、効果的に
利用することができるサービス(無料)となっています。
私も活用したことがありますが、「工事対応」「価格」「見積もりに含まれている要素(過不足なし)」共に、建築士として
十分評価できる内容でした。
「明日、エアコンの設置をしたい」
といった、超急ぎの対応にも応じてくれるようです。
「見積もり」以外にも、「エアコン設置」に関連した各種情報(古いエアコンの処分方法、追加となりうる工事要素など)も掲載されて
いますので、下記よりサイト内容を一度、ご参照してみていただければと思います。
新築マンションへの引っ越し時の「エアコン設置」注意点!
新築マンションの多くは、「エアコン設置予定位置」が設定されているものです。また、多くの物件で外壁は鉄筋コンクリート造
となっていることから、室外機とエアコン室内機とを繋ぐ各種配管を通すための穴(スリーブ)も事前に施されています。
エアコンを設置するための準備が整っているんですね。
しかし、マンションならではの事情も関連して、エアコン設置に関連した各種トラブルも案外多く存在
しているもの。そんな代表的なトラブル要素のひとつが「エアコン用先行配管(事前に敷設してあるエアコン設備配管)との接続時のトラブル」です。
マンションの居室は、プラン構成上全ての部屋が外壁と接しているとは限らないという特性があります。
また、エアコン室外機を置くスペースが廊下側に確保することが出来ないこともあり、廊下側居室のエアコン室外機
も反対側(居間側)のバルコニーに設置しなければいけないといった計画になっているものも多数存在しています。
そんな時に、事前に対応されているのが「エアコン用先行配管」。室内天井裏などの隠蔽部分に敷設してある
エアコン用の配管です。
エアコン設置をする上で最も大きなトラブルとなりうるのが、室内機と室外機を繋ぐ配管
(ドレイン管など)の接続不良による問題です。接続不良による問題は直ぐに
発見されることなく、設置後半年・一年以上たってから漏水などの問題が発覚するケースが
多いのです。
特に、先行配管に対する設置工事対応に不備が出やすい(ミスが生じやすい)傾向があります。ゆえに、「先行配管対応」
がなされている物件のときには、販売事業者から内覧会や引渡し時に「どのようなルートで先行配管が敷設されているか」
「どんな状態で配管の繋ぎ部分が処理されているか(未処理も含め)」をきちんと確認しておき、その情報を
エアコン設置担当者に伝えておくことによって、少しでもミスが生じる確率を低くすることを心がけておきたいところです。
新築戸建て住宅への引っ越し時の「エアコン設置」注意点!
建売の新築戸建て住宅での「エアコン設置に関連するトラブル」は、新築マンションと比較して、
発生数も多く、トラブルの深刻度合いも大きい傾向があります。実際には注意しておきたい細かな要素も多々
存在していますが、専門的な知識が無いと対処しにくい要素もあるもの。ここでは、大きなトラブルに
繋がりやすい代表的な懸念要素である「躯体の欠損」についてお話したいと思います。
建売戸建て住宅においても最も重大なトラブル要素となるのが、「スリーブ設置工事に関連したミス」です。
時折、取り返しが付かないような住宅の機能性を損なう状態となることもあります。
新築マンションの場合には、建物施工業者が事前に「スリーブ設置」をしてくれていますので、
このような問題が起きることは少ない(ほぼ無い)のですが、建売戸建て住宅の場合は、スリーブ設置がなされていない状態で
引渡しを受けることになるため、起き易いトラブルとなるんですね。
建売戸建て住宅の場合は、「エアコン設置業者がスリーブ設置工事も行う」ことになります。
繰り返しになりますが、エアコン設置の技能は業者(エアコン専門業者、家電販売業者、引越し業者など)に
よっても差がありますが、同じ業者においても、担当者によって技能的な格差があるんですね。
建築や設備の知識・技能を十分修得している人もいれば、エアコンを設置するという作業手順(段取り)しか
しらないような人も実際に存在しているのです。
本当にそんなことがあるの??・・と思ってしまうような出来事なのですが・・。簡単に言うとスリーブを
設置するために壁に穴を開けるわけですが、その時に建物構造体である柱・筋違などを欠損してしまう(穴を
あけてしまう)・・そんな出来事があるのです。まさかと思いますよね。でも、実際に
そういう出来事が存在しているのです。私も建築士の仕事を通じて実際に何度かそんなトラブルに遭遇
していますので。おそらくは、「構造体の欠損」というミスがあったとしても、そのまま居住者には知らされずに
放置されているケースも当然あるかと思いますので、実態としては、発生確率が案外ある出来事(施工ミス)なのだと
思っています。
こんな重大ミスを防ぐために心がけておきたい要素となるのが、まずは「できるだけ正規のエアコン設置業者を選んで依頼する
」ということ。そして住宅引渡し時に貰うことが出来る「住宅設計図(柱、筋違などの構造・位置が記してある図面)を
コピーして設置業者に渡す」ことです。これだけでも、かなりミスを防ぐことができますので。(ここまでやっても、
何故か柱を欠損してしまうというミスが生じることがあるんですけどね。やはり人の資質が大きく影響しているようです。)
エアコン用のスリーブ位置は、エアコン裏ではない場所を指定して設置してもらったほうが良いものです。
基本的に、何も指示しなければエアコン設置業者は、なるべくエアコン室内機の裏側にスリーブを設置しようとする
ものです。単純に室内側にエアコン配管(ドレイン管など)が見えないほうが良いと考えているからなんですね。
でも、私は次の3つの理由から、「エアコンの裏側ではない場所を指定して、スリーブ設置をしてもらったほうが良い」
と考えています。
1)構造体(柱、筋違など)の欠損リスクを減らすため。
エアコンの裏側にスリーブ設置しようとしたときに、室内機からの配管取り出し口が決まっているため、必然的に
スリーブ位置が固定化されることとなります。その位置に併せて壁の穴あけをしてしまうため、構造体(柱、筋違)
などの位置と重なってしまうリスクが高くなり、結果として構造体欠損を招きやすいのです。
2)エアコンの買い替えに対応できるようにするため。
エアコン設備も毎年新製品が登場するなど年々変化しています。現時点でも、エアコン室内機の機能やサイズには
多種多様な製品が存在しているもの。現在使用しているエアコンの規格(サイズ)などは将来的にどのように変化
していくかはわからないものです。そんな中、エアコン裏側にスリーブ設置してしまうと、エアコンの買い替え時
にスリーブ位置が合わないということが発生する可能性があるもの。買い替えを想定して、裏側では無い位置に
スリーブ設置しておくことが望ましいのです。
3)スリーブを設置しないで、「壁に穴開け」するだけで対処してしまう業者がいるので注意が必要
建築的な知識を有していないために、「スリーブ」が何故必要なのかを認識していないエアコン設置業者(担当者)
も少なくありません。スリーブと呼ばれている筒状のものは、「穴を確保するためのもの」ではなくて、
本当は「エアコン配管に関連した壁内の結露を防ぐため」に設置しているものなのです。
そんな大切な機能があることを知らないからか、壁に穴を開けるだけで、スリーブ設置しないで配管対処してしまう
業者も少なくないのです。エアコン裏側からの壁貫通の場合、スリーブ設置をしないで対処されてしまうことが
多い傾向が。そんな施工不良を見過ごさないためにも、エアコン裏側ではない位置を指定したほうが良いのです。
戸建て住宅の場合は、「電気工事士の資格」を持っている人でないとエアコン設置が出来ないケースがあります。
単に、エアコン機器を取り付けるだけなら、法的資格が必要ではありませんので誰でも行えることとなっています。
それゆえに、現状エアコン設置を請け負っている人の大半が建築・設備の専門家ではありません。建築や設備の資格
なども当然有していないわけです。ここに、問題が潜んでいるわけです。
実は、エアコン設置をする上で「電気工事士の資格」を有していないと出来ないケースが多々存在しているのです。
戸建て住宅の場合には、新規でエアコンを設置するときに、電源工事・電圧切替・配線器具交換なども併せて行わなければ
いけない状況があるんですね。そんな時に電気工事士の有資格者で無いとエアコン設置工事自体を請け負ってはいけない
ことになっているのです。これは法で定められている要素なのです。
でも、現実的には無資格者が行っている状況も多数存在しています。これは違法工事です。
一般の人はあまり知らないことかと思いますが、例えば
大手家電量販店でエアコン設置依頼をしたとき、その仕事を請け負うのが下請業者です。
その下請け業者の大半が個人事業主なのですが、資格すら持っていない人も多数存在。
電気工事士の資格を持っていたとしても「電気工事業登録」をしていない場合も多く、
そのような人は
電気工事をする事は出来ないのです。
業者選びをする上で、建築・設備の資格の有無や電気工事業登録の有無は、ぜひしっかりと
確認の上、重視すべき要素と考えていただければと思います。
▼三階建ての戸建住宅ならではのエアコン取り付けに関する注意点に関してはこちら。